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2009.06/08(Mon)

地獄に一番近い喫茶店

「おまえ、払う払うといっておいていつになったら金返すんだよ。全部有り金おいていけ」
「すいません。いまこれだけしかないんです」

ガタッ。

「おまえなぁ、土下座なんかしたってオレはうれしくもなんともないんだよ。そんな時間があったら外いってキャッチでもやって金稼いでこいや」


 ここは「地獄に一番近い喫茶店」、白昼のワンダーランド。巨大な歓楽街を間近に控えたこの喫茶店は、あらゆる人種がたむろする。世間知らずの大学教員が世間力を注入するために通う喫茶店だ。

 「ぼくわね、やっぱりリアリティだと思うのよ。文学わね。たとえば携帯小説ってあるでしょ。決まって主人公不幸のずんどこでしょ。ロクでもない目に遭うでしょ。しかも決まってお母さんが『私が○○ちゃんの歳のころは翔びたくても翔べなかったのよ。好きなことやるのよ。子供生むのよ。学校やめてもいいのよ。シ○ナーで歯がぼろぼろになってもそれわステキなこと』とか言うロクでもないお母さんでしょ。断崖絶壁にいる子供の背中を力強く押すようなお母さんでしょ。そんでもって主人公は勉強やらないけど有名大学に入れたりするでしょ。世間なめくさってるわね。そんなリアリティのないことぢゃ...」 

 安手の貴金属が山ほどついた両手をガツンガツンテーブルに叩きつけながらの熱弁。

 「先生のエロマンガ、もう10万部越えましたよ。やっぱりリアリティということなんですね。今度の連載もよろしくお願いします」
 「まぁ僕の文学観が勝利したというかね。まだまだ行きますよ。ぼくわ。ペンネームはやっぱり『ひろくん』がいいねぇ。リアリティがあるってゆーか...」

 ははは。なんだそりゃ。

 この喫茶店。最初の頃は呆気にとられたが、今は1番のお気に入りだ。ホストのお兄さん、バーのお姉さん、キャッチな人々、その筋の方々、俳句のおじいさん、同伴のカップル、なんでも来い。2時間もいれば十分な世間力が注入される。

 ...さて世間も深呼吸したことだし、文法書に戻ろう。
 このことばにだって人々は住んでいる。ルールブックになっていいわけがない。


 


08:37  |  未分類  |  EDIT  |  Top↑
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