07月≪ 2017年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2009.07/21(Tue)

Mary

 そのとき僕は、16番ホールから17番ホールに向かってメアリーと歩いていた。

 「あの子ね、何度もトライして今回初めてカット(足きり)免れて本戦に出られたのよ。だけどあの態度ときたら。他のプレーヤーもそうだけど、息子さんミスショットしても何も顔にださないわよね。うちの子はどうして」
 「それは性格の問題だよ。10才の子が感情を顔に出したりするのは、それほど悪いことじゃない。自然なことだと思うよ。ウチの子もいつもニコニコしているわけじゃないし」
 「ここまでくれば正直私はスコアなんてどうでもいいの。楽しんできなさいってあれほど言ったのに」
 
 ガッシリした体。黒髪。太陽に照らされてきた褐色の肌。中米から来た女。それがメアリーだった。

 言語学の論文では Mary と Johnが頻繁に例文で使われる。僕も何も考えずに例文を作るといつでも主語はMaryかJohn になる。無意識のうちに理屈を追うための小道具として、この2つの名前を扱っている。

 ことばは心だといつも言っているのに。

 ああメアリーとはこうした人なんだな。ことばにはいつでも身体が宿っているんだな。切々と悩みを打ち明けるメアリーと話しているのに、なんだかうれしさがこみ上げてきた。

 「ほら見てご覧。セカンドショットがピンべたで笑ってるよ。とってもかわいい子だね」





 
07:23  |  未分類  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。