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2012.03/08(Thu)

年をとってゆくのも

 年をとってゆくのも悪くないなと最近よく思う。

 先日国際線でワインを飲みながら「共喰い」を読んで「この描写は人生で一回やってみたい種類のものだなぁ」と自分が完成しなかった小説のことを考えていたら、フライトアテンダントに声をかけられる。「食事中にグロい描写を読まないように」と注意されるのかと思ったら、以前教えた学生だった。十数年の間に随分素敵な女性になったものだ。彼女の流暢な機内アナウンスを聞きながら「英語教師としては最高に幸福だな」と思っていた。

 ---どこにいようが、何をしてようが、そこには既視感があり心から寄り添うことができる。知り合いがいて、なじみの店があり、よく知った味の酒がある。心温まる邂逅があり、顔の向こうに何年にもわたる奥行きが見える。

 wikiを読むと「認知意味論」が研究分野ということになっているが、実際は「形式意味論」である。ただそんな分類は、今の僕にはさして興味もない。どうせ2分も話せば能力はわかるのだから。「なんとか理論をやりました」をうれしく思った学生時代も過ごしたが、今の僕に何か後光を与えてくれるようには思えないし、自己紹介にも使えないほど僕を正確には描き出さない。さまざまな研究や、飲んだ酒や、病院通いや、学生の喜んだ顔や、何とか英語で情けない思いをする日本人を減らしたいという悲願。そうした無数の事象の結節点の上で本を書いている。

 そしてそうした人間にしか書けない文があるのだと信じている。

 

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